店舗情報
鈴木亭
商品情報(1)
こだわりの逸品
杢目羊羹
素材としましては小豆と白隠元を使っているのですが、俗に黒餡・白餡と呼ばれるこの2つを使った羊羹は珍しいと思います。素材自体は慶応2年の開発当初から現在に至るまで変わっておりません。(1本780円~)1個(本)あたりのお値段:780円(税込)
こだわりの技
どこを切っても木目模様が現れるという、製法特許を取得した全国で唯一の羊羹です。ただ木目を出せばいいのではなく、やはりきれいに出すということにこだわって作っています。他社さんが作ろうと思っても絶対に真似のできない商品と自負しています。
私自身、自店の商品に関してこんなことをいうのも変ではありますが、このような羊羹を150年近くにわたって作り続けているというのは、すごいことだと思っています。基本的な製造方法は創業当初と変わらないのですが、いまでは若干機械での作業を取り入れています。
商品開発ストーリー
創業の際に富山といえば立山、立山といえば立山杉ということで、羊羹にその木目を入れたものを看板商品にしようとしたことがはじまりです。初代の茂助は13歳で江戸に出て、幕府御用菓子司・鈴木越後で修業を積みました。その後15年間の修業を終え独立を許されたのですが、修業明け祝いにと“鈴木亭”の屋号と“三つ鱗”の商紋を賜り、1866年にこの地で創業した次第です。
この鈴木越後の煉羊羹は、当時でも大変高価なものだったと聞いています。ちなみに鈴木越後も、また鈴木越後と並ぶ江戸屈指の名店であった金沢丹後も明治以降に廃業しており、当店の羊羹は江戸煉羊羹の伝統を伝える貴重な商品という評価もいただいています。
商品情報(2)
こだわりの逸品
立山五色ヶ原羊羹
立山連峰・五色ヶ原高原のお花畑をイメージし、五色の羊羹をゴムに充填した商品なのですが、赤と黄色は白隠元餡、緑は挽茶、黒は黒砂糖、白は卵白を原料に使用しています。(5個入り450円~)1個(本)あたりのお値段:90円(税込)
こだわりの技
昔は手で行っていたゴムに羊羹を充填する作業を機械化している以外は、こちらも製造方法は基本的に昔から変わっていません。余談ではありますが、昔はゴムも品質が良くなかったため羊羹を注入する段階でゴムが破裂してしまい、作りたての熱々の羊羹が飛び散ることもあったようで、本当に大変な作業だったようです。
商品開発ストーリー
切らずに食べられる羊羹ということをコンセプトに開発した商品で、商品化されたのは5・60年前と聞いています。いまは当店でも杢目羊羹のミニサイズを出していますが、昔は羊羹といえばほとんど1本ものでサイズも大きく、切らなければ食べられなかったことから、お客さまのいわゆるユーザビリティも考えて、より食べやすく、持ち歩きやすい羊羹を作ろうと思ったのがきっかけのようです。
オリジナルテーマ
お菓子に対する思い
自分が食べたい、買いたい、持っていきたいと思えるお菓子を作らないと、という思いで常にお菓子づくりをしています。ただ作って満足ではなく、お客さまに欲しいと思っていただける商品を作り続けていきたいです。また、ご先祖や先輩方が素晴らしい商品を残してくださったので、そうした財産をより多くの方、特に若い世代の方たちに知っていただけるよう情報発信していきたいと思います。
お客様からの声(評価)
富山県内ではありがたいことに「羊羹といえば鈴木亭」という評判をいただいているのですが、なにぶん全国的に知名度がある菓子店ではないので、観光でいらっしゃった方が杢目羊羹を見るとかなり驚かれます。また、なかには木目の模様が表面だけにあると思われている方もいらっしゃって、切っても断面に木目が出てくることに2度驚かれるみたいです。年輪を刻んでいくということは縁起のよいことでもありますので、手土産として持っていかれる方も多いくいらっしゃいます。結婚のご挨拶に手土産として持っていったら、婚約者のご両親がとても喜んでくれて、うまく話がまとまったなどという話を聞くと、やはり私自身もうれしくなります。
立山五色ヶ原羊羹に関しましては、羊羹が入っているゴムにプチッと穴を開けて食べるのですが、世代間の違いからか懐かしいという評価と斬新だという評価の両極端に分かれます。やはり長年この地で商売をさせていただいていますので、子どものころに食べたお菓子ということで富山を離れた方が懐かしがって注文されるケースもかなり多いです。
安全性について
安全性についてお客さまの目も厳しくなっている昨今ではありますが、当店ではお菓子を作る者として当たり前のことを当たり前にやる、というスタンスで安全面には取り組んでいます。
おすすめの菓子店のご紹介
同じ富山市内にある「竹林堂」さんです。甘酒まんじゅうが特に名物なのですが、230年以上の長きにわたり、ずっと同じ銘菓を作られているところが素晴らしいです。たぶん地元の人は、必ず1度は食べたことのあるお饅頭だと思います。